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Ｍ	市場の駄菓子屋できれいなお菓子を見つけた。店の人がジェリービーンズだと教えてくれた。赤や黄色やピンクや白のやさしい色合いの宝石のようなお菓子だ。 透明な袋にたくさん入っている。僕はそれを買った。 中のひとつを袋の上から指で押さえると、ひび割れてもろく崩れた。口に含むと甘くてやさしい。 これって、しょうこさんのすきなものだな、きっと。 ジェリービーンズに針で糸を通して指輪を作った。 白にしようかピンクにしようかと迷ったけど、いろんな色の入ったとびきりきれいなマーブル模様のやつにして、しょうこさんにプレゼントした。
Ｓ	とっても、きれい。
Ｍ	しょうこさんは左の薬指にジェリービーンズの指輪をつけて、そう言った。
Ｓ	私のたからものにするわね。
Ｍ	しょうこさんの目が少し光ってる。 僕はポケットからくしゃくしゃになったハンカチを取り出してしょうこさんの涙を拭いた。この涙も、残しておく？
Ｓ	さあ、どうかな。
Ｍ	しょうこさんはそのハンカチを、そっと、エプロンのポケットにしまった。 僕はみつき。ここにきて今日で一年になる。
	（ＥＮＤ）
甘やかな十字架の天辺
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