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Ｍ	しょうこさんの部屋は店の二階にある。 僕の部屋は一階のキッチンの隣だ。前は物置として使われていたところで、そこを整理してベッドを入れ、僕が寝る部屋にしてもらっている。こんなによくしてもらって、僕にできることといったら、お皿を洗うことと買い物に行くことぐらいだ。
Ｓ	気にすることはないわ。みつきはゆうれいなんだから。 ゆうれいゆうれい。とてもきれいな、若いゆうれい。
Ｍ	しょうこさんのだんなさんはフリーのカメラマンだったそうだ。４，５日取材に行ってくると言って、出て行ったまま、もう何年も帰ってこない。お父さんも家出したし、たった一人のお兄さんもアフリカに行ってしまった。
Ｓ	アフリカの奥地に小学校を建てるんですって。前にも井戸を掘りに、ペルーだかコロンビアだかに行った事のある人だから、心配はしていないけど。男はみんな風来坊ばかりね。
Ｍ	どこにもいろいろな人生がある。 いろいろな人生…。ゆうれいの僕にも、人生などあるのだろうか。すでにこの世にいない僕がしょうこさんに呼び出されてここにいるということを、どう考えたらいいんだろう。
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