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Ｍ	夜が明けていく。いつもはまとめている髪が肩にかかって、しょうこさんは少女のように頼りなげにみえる。 今、しょうこさんは、左手で顔をささえて、窓の外をみている。 僕はしょうこさんの左手の薬指から指輪がなくなっていることにはじめて気がついた。
Ｓ	見て、太陽が昇っていくわ。登って行く朝日って、強い。おはよー、これからはじまるよーって。沈んでいく夕日は弱い。もうこれで終わり、みんなさよならー。私は夕日のほうがすき。でも、どっちも同じ太陽の光なのよね。
Ｍ	はじまりも終わりも同じ。同じなのに強いのと弱いの。同じ人なのに、強くなったり弱くなったり。同じ人生のなかで。
Ｓ	朝日も、まんざらじゃないわね。
Ｍ	僕も嫌いじゃない。しょうこさんと僕を照らしている、この朝の光が。
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